Bleeding Moses-Coconut
レディオヘッドって次世代に残した影響は大きいけど明確なフォロワーっていなくないですか?初期のMUSEはレディオヘッドのパクリだと叩かれていたけど明らかにメロディの種類が違うし、何よりクラシックの影響が大きかった。しかしポーランドに音楽性、メロディ、演奏、歌、どれをとってもレディオヘッドなバンドがいたんです。それが今日レビューするBleeding Moses。
Bleeding Mosesはポーランドのバンドです。言われてみればチェコやハンガリーのバンドはそれなりに知ってるがポーランドのバンドはRiversideとXanaduぐらいしか知りません(偏った情報)。東欧のバンドってこれまでにレビューしてきたように声が特徴的だったりメロディが変だったりするんですが、このバンドにはそういうクセがありません。っていうか作曲とボーカルはトムヨークがやってるのか?と思ってしまうほど似ています。レディオヘッドって時期によって音色がかなり違ってきてるんですが、このバンドはそのどの時期というわけではなく全体的にレディオヘッドを匂わせてきています。お見事。2016年に8曲入りのセルフタイトルアルバムでデビューしたんですが、その時の音楽性は暗黒要素の強いレディオヘッドという感じでした。Kraken Love(https://youtu.be/UZRo5eUDCoM)とか聴いていただけると分かると思います。しかし2017年に出したシングルBlinks (Of Places Where I Loved No One)では暗黒要素が薄れ、レディオヘッドの綺麗な曲をさらに綺麗にしたような音になりました。そして今年3月に満を持して発表されたのが今日レビューするCoconutというわけです。
先行シングルはキーボード主体の音作りでしたが、アルバム全体を通して聴くとストリングスの音色こそするものの曲によっては結構ギターの音が聴こえてくる印象です。あとボーカルはトムヨークに比べれば低い声も出せてるように聴こえます。
2曲目のNo Plants and Dogsが俺的ベストトラックです。最初の10秒ぐらいはオッ、オケコンか?って感じなんですがベンズっぽくなります。途中で入ってくるエフェクトのガッツリかかったギターなんてまさにそうですね。この曲は例外的にどのアルバムっぽいって言うことができるから好きなのかも。
4曲目の'70sはレディオヘッドというよりトムヨークのソロっぽさを感じます。シンセの音と一緒にパラパラと降りてくるピアノの音がとにかく綺麗です。
9曲目のDressが人気曲らしいですね。レディオヘッドのギターの音ってクラウトロックを意識してリバーブがほぼかかってないんですがこのバンドは結構かかってますね。ミキシングも残響に意識が向いてるように聴こえます。その辺がこのバンドの個性とも言えるでしょう。
10曲目のA Ballad For A Night Doormanは盛り上がるところがかなりシューゲイザーっぽいです。これはこのバンドとしてはかなり冒険ではないでしょうか。
ラスエフでこのバンドに付いてるタグを見たらradioheadとあり、たしかに似てるけどアーティスト名をタグにするなよと思った所存です。このアルバムの点数をつけるとしたら95点です。最高なんですが、やはり活動初期の暗黒レディへ時代の方が好きなので。