分からん、なにも……

オタク・レビュー

The Lonely Bears-Injustice

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今日レビューするのはJeff BeckのGuitar Shopで共演したボジオとTony Hymasを中心に結成されたスーパーグループの92年作の2ndアルバムです。この2人とあのピンクパンサーのテーマを吹いたサックスのTony Coe、Jack BruceWham!の作品でも弾いたギターのHugh Burnsと、かなりメンバーが豪華です。90年に結成され、94年にラストアルバムを発表と、結構短期間ですね。もっとこのバンドでやってほしかったです。

 

内容はまさに名人達による変態ハードジャズロックと言えるでしょう。流石全員テクニックがありますが、テクニックを見せつけるというよりはそのテクニックを音楽性に反映し、4人の個性をぶつけることで全く新しい音楽を作っているというイメージです。特にボジオの機械的なドラムや、Hugh Burnsのハードロック的とフリージャズの間を行き来するようなギターソロがこのアルバムの聴きどころです。このアルバム以外聴いてないのですが、かなりハードロックに寄った作風らしいので聴き始めるならこれを最初に聴くと良さそうです。

 

1曲目のMarch Past 29 145 749を再生すると、いきなりボジオとしての正解の音みたいな人間っぽさを全く感じない機械的なドラムが鳴り響き、完全に優勝……(オタク)キーボードがメインフレーズを弾き、それに続いてTony Coeがとても彼らしい渋い音色でメインフレーズを吹きます。くぅ〜、最高のオープニング。ギターはあまり目立ってないんですが、ライブ映像を確認するとRobert Fripを思わせるような機械的なフレーズをタッピングで弾いてます。その後はギターソロ。ハードロック的ながらかなりフリーな印象を受けます。ギターソロが終わるとドラムがより一層おかしくなり、ボジオは完全に手がつけられない状態に……よくこんな暴れた後にメインフレーズに最後戻ってこれるな……1曲目が最高すぎてめっちゃ文量書いてしまった。とにかく良いんです。

 

3曲目のKill King Ratは凄いフレーズをみんなでユニゾンして弾くのが印象的です。ちょっとこのフレーズX-Legged Sallyっぽい。ギターソロがやっぱりハードロックでフリー。多分メンバーの中で一番ロックに近いのはギターのHugh Burnsではないでしょうか。

 

5曲目のEntre Le Tigre Et L'EuphrateはメインフレーズがちょっとKing Crimsonっぽい、不気味だけど取っ付きやすい感じがします。静かな曲なんですが、こういう曲調でもボジオのドラムのおかげでエスニックテクノ的な雰囲気を感じれます。

 

変態ハードジャズロックと言いながら半分は静かめな曲なんですが、そういう曲でも4人のヤバさがひしひしと伝わってきます。ストリーミング配信はされてないんですがボジオ公式からこのアルバムの曲をやるライブ映像がアップされてるのでこれを見てからCDの購入を考えてみてください(https://youtu.be/7x_eG3mTPNo)サムネがボジオのイキ顔で笑える。ライブだと結構テクニックを見せびらかす感じになってる……よりハードになってますね。点数は95点です。かなり良いんですが、もうちょっとハードロックに寄った姿も見てみたいですね。どうでもいいがこのアルバム、私を構成する81枚に入っています。