分からん、なにも……

オタク・レビュー

Bathyscaphe V-Bathyscaphe V

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ザッパ良いよね。だけどザッパはどうも音がゴチャゴチャしてる気がする。そんな人にオススメなのが今回するBathyscaphe V。なんとザッパやレコメン系っぽい曲をバロック楽器で演奏しています。何言ってるか自分でも分からないんですが、とにかくザッパらしい不協和音や頭のおかしい連符を風情ある音で奏でるんです。特にチェンバロの音が目立ってます。

 

詳細は分かりませんが、調べたところベルギーのレーベルから出ているので恐らくベルギーのバンドだと思います。ベルギーって良いザッパフォロワー多いですよね。ザッパフォロワーの頂点とも言えるX-Legged Sallyも、最近出てきたCaptain Cheese-beardもベルギーです。2013年に発売したこのセルフタイトルアルバム以外に作品は無いです。結構個性的な音だからもっと活動してほしい……演奏者のクレジットにはドラムのMichel Debrulleとトロンボーン(バロックトロンボーンという楽器があるのでセーフ)、チューバ(バロックにチューバは無いのでアウト)のMichel Massotしか名前が載っていません。半分以上サポートメンバーやんけ。

 

1曲目のTrianon de Propriacの最初からザッパらしいキレッキレのフレーズをチェンバロが弾き、これだけでもう優勝です。木管楽器も凄い連符のフレーズを吹き、雰囲気は完全に現代音楽。ザッパは楽器さえ変えればかなり現代音楽に近いということを再確認できます。

 

2曲目のZephyrはストリングスの重奏から始まる9分の長尺曲です。最初は荘厳な感じですが、息をスッスッと吹く音とドラムが入って曲の雰囲気がガラリと変わり、一気にレコメンっぽさが出てきます。明るめのUnivers Zeroという感じでしょうか。どこか呪術的なところもありますが使われてる楽器のおかげでそこまで暗く聴こえません。よく練られたアンサンブルもザッパフォロワーらしさと言えるでしょう。

 

4曲目のCamiloucheは1分半ぐらいの短い曲ですが、このバンドらしさが詰め込まれていてアルバムの中で一番好きです。アホっぽい女ボーカルとチューバで吹かれるベースラインが強烈です。

 

6曲目のBathyscapheもかなりの長さで、初っ端からTommy Marsみたいなアホアホ裏声を聴かせてきます。その後はフリーな感じでチェンバロが掻き鳴らされ、暗黒系っぽいです。

 

このアルバムはストリーミングで聴けるし通販サイトでも在庫があるみたいなので是非とも聴いてみてください。個人的に点数をつけるなら92点ぐらいです。演奏とコンセプトはいいけどほんの少し取っ付きづらさがあるかなぁと思って8点引かせてもらいました。俺はかなり好きだけど。